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海外BPOサービスというのは、業務の一部を海外企業に委託することです。

BPOというのは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、アウトソースする相手が海外企業である場合、これをオフショアBPOと言われたりします。
海外アウトソーシングにより大きなコスト削減が見込まれることが日本企業の注目を集める理由の一つですが、本来は経営効率をよくするための手段として用いられてきました。
少し前までは日本語能力やセキュリティ面、品質の保証など不安要素が大きかった海外BPOサービスですが、最近は海外アウトソーシングもメジャーな手法となり、品質も国内で生産したものと遜色なくなってきています。
オフショアBPOを賢く利用すると、コストも企業の業務もすっきりと身軽になれるかもしれません。

海外BPOが効果的な理由を、4つのポイントに分けて解説していきます。

①コア業務に集中し事業の拡大に集中できる

帝国データバンク「海外進出に関する企業の意識調査」によると、海外進出における課題は「社内人材(邦人)の確保」がトップを占めています。進出先の国で事業プロジェクトを効率的に進めるにあたって、現地で働く限られた邦人人材を重要度の高い業務に集中させる必要があります。そのための対策としてBPOを導入し、バックオフィス業務をアウトソーシングすることが有効です。不要なタスクやコストを極力削減し、生産性向上を目指しましょう。

ノンコア業務を外部委託しコア業務を強化

コア業務とは事業の根幹となる業務、つまり利益に直結する業務を指します。その内容は非定型的で、高度な判断が必要とされる場合が多いでしょう。それに対してノンコア業務は、直接利益を生まないけれど、コア業務をサポートするために必要な業務全般を指します。その内容は定型的なケースが多いため、システムを導入したりアウトソーシングを活用することで、効率化をはかることが比較的容易です。

人材の確保に悩まない

バックオフィス業務の社員を雇っている場合、その社員が欠勤の際には他の社員が代わりに業務を行うことになります。また万が一辞めてしまうと新しい担当者を採用するまでのコストや、業務を引き継ぐまでの教育コストなどが必要になります。そして新しい担当者が慣れるまで、周りの社員に負担がかかってしまいます。アウトソーシングを活用すれば特定の人的リソースに依存することなく、長期的、安定的に運用することができます。

業務の進行をよりスムーズに

秘書業務など、業務によっては現地で社員を採用し外国語でコミュニケーションを取るよりも、リモートで日本国内にアウトソーシングした方が言語や文化の違いによるトラブルが起きにくいでしょう。スムーズにコミュニケーションが取れることで、社員はメイン業務に集中することができます。また、翻訳業務をアウトソーシングするという活用方法もあります。

② BPOによる工数コストの削減と効率化

 

近年、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を利用してコスト削減を図るなど、経営資源の効果的な活用の動きが進んでいます。BPOは名前のとおりビジネスプロセス全体をアウトソーシングできるので、業務を丸ごと委託することが可能です。その結果、同じ業務を社内で行うよりも工数を削減することができます。

 

また、依頼をするその分野のプロが業務を担当してくれるので、無駄な作業を見直したり、コストの削減や効率化も提案してもらえます。BPOに委託できる業種は広範囲にわたり、導入する業務の種類や構造によってはバックオフィスの完全外注化も可能です。

BPOは業務プロセスごと任せられる

「アウトソーシング」は直訳すると「外部委託」となり、自社の業務の一部を社外に委託することを指します。派遣会社から派遣された社員に業務を代行してもらうことや、代行業者に部分的な業務を委託することも含まれます。BPOもアウトソーシングに含まれますが、業務プロセス全体を委託できる点が他と違う特徴です。委託した業務をマニュアルに沿って遂行するだけでなく、課題解決や業務改善の提案などもしてくれるでしょう。

業務の可視化と標準化

BPO導入にあたっては、あらかじめ委託したい業務を洗い出し、どこからどこまで委託するのかを検討することが必要です。そのプロセスにおいて、既存の業務フローに改善点が見つかる場合もあります。また実際の導入時には、委託先がスムーズに業務を引き継げるよう細かいマニュアルを作成し共有することが求められるでしょう。これにより今まで曖昧だったり、特定の担当者しかわからなかった業務なども可視化、標準化できるのもメリットのひとつです。

状況に応じた委託ができる

プロジェクトの進行状況によって、一時的または季節的に業務量が増えるケースもあります。必要に応じた人的リソースをあらかじめ予想して確保することは難しく、人員が余ると余計なコストにつながります。しかしBPOを活用すれば、業務量の変化に応じた委託が可能です。また、新規事業の立ち上げ時など業務量が多くなりそうな時期は、最適な業務フローの構築まで含めて相談することもできます。そして事業が軌道に乗ってからは、必要最低限のルーティン業務を任せるといった依頼も可能でしょう。

③実績がありビジネススキルの高い人材にアクセスできる

実績のあるBPOを選べば、素早く専門的な業務遂行を期待できます。委託先はその部門においてのエキスパートであり、経験や知識も豊富です。専門的なビジネススキルとノウハウによって、高いクオリティで業務を遂行してくれるでしょう。専門分野における市場にも詳しく、常に新しい情報を提供してもらうこともできます。

高い専門知識

BPOサービスを提供する企業は、その仕事に精通しているプロフェッショナルです。委託する際も、自社のニーズに合わせて最適な委託業務フローまで合わせて提案してもらえ、スムーズに業務を移行させることができるでしょう。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入なども相談できます。

委託できる内容はさまざま

BPOのサービスはさまざまな領域に広がっています。ビジネスマナーに精通した秘書業務をはじめシステム環境の構築から運用までを任せるのはもちろん、ウェブデザインやコンテンツ制作、システム開発、ECサイトの運営などまで委託できるBPOサービスもあります。自社ですべてを抱え込もうとせず、さまざまな分野で委託サービスを検討してみるのも有効でしょう。

④企業リスクの軽減

国内での企業活動はもちろん、海外進出している企業も多くのリスクに対策を講じる必要があります。政治的な不安や、言語や文化の違いによるトラブルもあるでしょう。
海外拠点をコア業務に絞りバックオフィス業務をアウトソーシングすることで、フットワークを軽くすることが可能になります。さらに、マルウェアや情報漏えいといったリスクに対する情報セキュリティ面の強化も期待できるでしょう。

現地オフィスなどの固定費が削減できる

BPOを利用することで人員コストだけでなく、オフィスなどの環境設備やその維持費も削減することができます。海外進出の物理的規模をコンパクトにおさめることができ、フットワークも軽くなるため、同じ予算でもより快適な環境を整備することも期待できるでしょう。また災害時における事業継続対策(BCP:Business Continuity Plan)のひとつとしても、BPOが注目されています。

システムセキュリティ

企業のグローバル化により、情報セキュリティのリスクも意識しなければなりません。アジアではインターネットユーザー数が急増しており、セキュリティ構築の遅れによるマルウェアの流通増加やサイバー攻撃、情報漏えいといった可能性があります。セキュリティ対策にも詳しいBPO業者に委託して、外部からのサイバー攻撃やマルウェアによる情報漏えい、クレジットカード情報のデジタルスキミングなどにしっかり対処しましょう。

セキュリティ意識の高さ

バックオフィス業務などを現地で委託した場合、言語はもとより文化や価値観の違いなどからセキュリティ管理のクオリティが保てない不安があります。日本のアウトソーシング委託業者はセキュリティ意識が高く保たれているので、安心して業務を任せることができるでしょう。

まとめ

国内アウトソーシングサービスの市場は成長中であり、これからさまざまな分野での発展が期待できます。高い専門スキルや知識を持ったクオリティの高いバックオフィス業務を、いつでも必要に応じた業務量で委託できることが何よりの魅力です。海外進出している企業も日本国内のBPOを活用してバックオフィス業務をアウトソーシングすれば、リスクを軽減しつつ、さらなる生産性向上を目指せるでしょう。